2023年7月3日

演習(大学院ゼミ)の記録

【専門書講読】

金凡性「植民地朝鮮における温泉調査――知のヒエラルキーをめぐって」
『帝国日本の科学思想史』(勁草書房、2018年)第5章)

 

【書評紹介】

Alexander Wragge-Morley, Aesthetic Science: Representing Nature in the Royal Society of London, 1650–1720. Chicago/London: University of Chicago Press, 2020.

Reviewed by Patricia Fara, Isis 114 (2023): 434–436.

本書は、17世紀半ばから18世紀初頭のロンドン王立協会の自然哲学者の著作を題材とし、当時、合理的知識の探究において主観的経験がどのような役割を果たしていたかを考察するものです。書評を見ると、昨年ゼミで講読したロレイン・ダストン&ピーター・ギャリソン『客観性』の議論を思い出させるような論点が多数含まれているようです。そのなかでも、評者が指摘するように、神の設計の欠陥と思しき自然現象(非対称的な雪の結晶など)に自然哲学者がどう対処したかという論点は興味深いと思いました。【村山】

【研究発表】

「嵯峨根遼吉の海外原子炉導入論」

今回は、9月の国際会議での発表に向けて、まずは日本語で内容を検討し、皆さんに聞いていただきました。質疑応答では、発表内で区別した概念の違い(「理由」と「動機」、「科学者一般」と「科学者個人」など)について突っ込んでご質問いただき、その他の内容も含めて明確化出来ていない部分を自覚することができました。より良い発表に向けて、改善していきたいと思います。貴重な機会をいただき、ありがとうございました。【猪鼻】