Lectures and Seminars
一橋大学で有賀が担当している授業は大きく3種類に分けられます。大学院での科学技術史に関する授業、大学院での学芸員資格取得プログラムに関する授業、学部生向けの共通教育の授業です。一部の授業は、大学院と学部の共修科目として提供されています。
大学院ゼミ(演習と博士課程コロキウム)
「演習」は、大学院での学修の中心となるゼミナールです。原則として、有賀のゼミに参加する学生は、有賀を主指導教員として修士論文・博士論文を執筆することになります。ただし論文指導を受けない、「第二演習」すなわち副ゼミとしての参加も歓迎します。
春夏学期には、特定の主題を扱った科学技術史の専門書(原則として日本語)を講読します。秋冬学期には、国内外(英語圏)の学術雑誌の論文を取り上げて分析します。また年間を通じて、海外の学術雑誌に掲載された書評の紹介と、参加者自身の研究に関する発表を取り入れます。
また「演習」に加えて、博士課程の学生を対象とする「博士課程コロキウム」も開講しています。ここでは、参加者各自が博士論文の執筆を進め、研究者としてのキャリアを切り拓いていくことに特化した指導をおこないます。
その他の詳細は、以下のページを参照してください。
担当授業一覧
2024年度の担当授業の概要は以下の通りです。各授業の詳しい情報は一橋大学のシラバス検索サイトから見ることができます。
≪春夏学期≫
【大学院】「演習」(月2)
科学技術史、博物館学、およびそれらと関連する学問分野を扱う。春夏学期は、特定の主題を扱った専門書に即して科学史・技術史への理解を深めるとともに、学術書を読むためのスキルを磨く。加えて、参加者が各自の研究について発表する場を設け、学術的コミュニケーションの基礎的能力を養う。
テキスト・文献: 村田純一『技術の哲学:古代ギリシャから現代まで』(講談社学術文庫版、2023年)、ダニエル・ヘッドリク『進歩の触手:帝国主義時代の技術移転』(日本経済評論社、2005年)
【大学院】「博士課程コロキウム」(月3)
科学技術史もしくはそれに関連する分野で博士論文を書こうとする学生を対象に、互いに切磋琢磨しつつ研究を進めていくための場を提供し、あわせて担当教員による指導をおこなう。
【大学院】「科学論B」/【学部】「現代科学論」(木3)
この授業では「現代科学技術の展開」をテーマに、20世紀後半以降の科学技術史を扱う。前半では、テキストも使用しつつ、特に科学技術と社会(とりわけ国家)の関係に重点を置いて、科学技術の現代史を概観する。後半では、特に日本における代表的な研究プロジェクトを事例として取り上げ、現代における科学研究と科学的知識のあり方を考察する。
テキスト・文献: 佐藤靖『科学技術の現代史:システム、リスク、イノベーション』(中公新書、2019年)
【大学院】「博物館資料論」 (火2)
博物館資料の収集、整理保管等に関する理論や方法に関する知識・技術を習得し、また博物館の調査研究活動について理解することを通じて、博物館資料に関する基礎的能力を養う。
【学部】「人文学入門(歴史) 」/【大学院】「人文学特論B」〔複数教員で担当〕(金2;オンデマンド併用)
2024年度開講の「人文学入門/特論」は、「図像で読む科学・技術・医学の歴史」をテーマに開講します。2名の担当教員はそれぞれ科学技術史(有賀)と医学史(安西)を専門としていますが、この授業では毎回、具体的な図像を手掛かりとして、それが描かれた時代・地域と、そこでの科学・技術・医学のありようを探究していきます。一見、「人文学」とは縁遠いように思えるかもしれませんが、ここで取り上げるどの図像の裏側にも、歴史のなかで続けられてきた人の営みや思想があります。この授業を通じて、わたしたち〈人間〉についての学問である人文学(英語ではHumanities)の一端に触れてもらいたいと思います。
【学部】「教養ゼミナールA」(木4)
この授業では「万国博覧会の歴史」を扱う。2025年には関西・大阪万博の開催が予定されているが、そもそも万国博覧会とは何なのだろうか。このゼミでは、万博の歴史について書かれた本を読むとともに、参加者それぞれが興味をもった内容について調査する。
テキスト・文献: 海野弘『万国博覧会の二十世紀』(平凡社新書、2013年)
≪秋冬学期≫
【大学院】「演習」(月2)
科学技術史、博物館学、およびそれらと関連する学問分野を扱う。秋冬学期は、国内外(英語圏)の学術誌に掲載された論文を材料として用い、この分野の多彩な研究テーマに触れながら、論文を読むためのスキルを磨く。加えて、参加者が各自の研究について発表する場を設け、学術的コミュニケーションの基礎的能力を養う。
【大学院】「博士課程コロキウム」(月3)
科学技術史もしくはそれに関連する分野で博士論文を書こうとする学生を対象に、互いに切磋琢磨しつつ研究を進めていくための場を提供し、あわせて担当教員による指導をおこなう。
【大学院】「博物館資料保存論」 (木3)
博物館における資料の保存ならびに展示・収蔵環境を科学的に捉え、資料を良好な状態で保存していくための知識を習得することを通じて、資料の保存に関する基礎的能力を養う。
テキスト・文献: 石崎武志編著『博物館資料保存論』(学芸員の現場で役立つ基礎と実践)(講談社、2012年)
【大学院】「博物館情報・メディア論」 (木2)
博物館における情報の意義と活用方法、情報発信の課題等について理解し、博物館の情報の提供と活用等に関する基礎的能力を養う。
【大学院】「博物館実習III(学外実習)」 〔複数教員で担当〕(他)
博物館実習Ⅲは学外実習となる。具体的な内容は実習先の博物館によるが、担当の学芸員の指導のもと、資料の取り扱い、展覧会企画、教育普及、広報などの活動を現場で学ぶ。具体的な内容は実習先の指示に従う。
【学部】「自然科学史(西洋)」/【大学院】「科学史入門」(月5;オンデマンド併用)
古代から現代までの科学の歴史を概観する。自然についての理解の仕方や、自然を研究する人々のあり方、科学と社会・文化との関係は、歴史を通じてどのように変わってきたのだろうか。過去についての理解を深め、現在と未来について考える手掛かりとする。
過去の担当授業はこちらをご覧ください。