2024年6月10日

演習(大学院ゼミ)の記録

【専門書講読】

※担当者が急きょ欠席のため今回は無し

【書評紹介】

W. Patrick McCray, Making Art Work: How Cold War Engineers and Artists Forged a New Creative Culture. Cambridge, Mass.: MIT Press, 2020.

Review by John A. Tyson, Technology and Culture 65 (2024): 714-716.

本書は、芸術と技術の境界を複雑にするテーマに焦点を当て、1960年代における両者の協力プロセスとその文化的影響を書いています。Frank MalinaとBilly Klüverを中心に、EAT、MIT、LACMAなど具体的な歴史と事例を扱っています。評者のTysonは、美術史研究者の立場から、この本は芸術家と技術者の同盟関係をうまく考察し、芸術と技術の取り組みを明らかにするための方法論モデルを提供していると評価しました。

芸術と技術の境界は興味深いです。現在、AI技術によって生成された芸術作品も、現代において芸術と技術の境界を再び複雑化していくのではないかと思います。【王藝】

【研究発表】

「日本の原子力導入期における学セクターの多元性」

本日は、5/26(日)の科学史学会で発表した内容を、ゼミでも報告させていただきました。質疑応答では、そもそも「学」セクターとは何を指すのか、学術会議の詳細等についてご質問いただき、なぜ学術会議に注目するのかをきちんと説明すべきことに改めて気付かされました。中でも、第一部(文学、哲学、史学)会員がどのような発言をしていたのかについては、自分では注目できていなかった部分なので、もう一度調べなおそうと思います。今後の論文化に向けて、有意義な議論ができたと思います。ありがとうございました。【猪鼻】