History of Computational Sciences
20世紀後半のコンピュータの発達に伴う科学技術の変化について、歴史的な考察を試みています。具体的には、理学・工学のさまざまな領域で、シミュレーションをはじめとする新たな手法がどのように用いられてきたかを研究しています。
これまでに論文などの形で発表したのは気象学の事例です。関連して、『科学史事典』(2021年)に「シミュレーション」「天気予報」という二つの項目を執筆しました。現在は、流体力学の分野における計算科学的手法の普及過程を調べています。
このほか、データベースや「ビッグ・データ」をはじめとして、データの増殖が科学技術にもたらした変化にも大いに関心があります。
主な業績
- 有賀暢迪,2021. 「シミュレーション」および「天気予報」 .日本科学史学会(編)『科学史事典』丸善出版,86-87頁および494-495頁.
- 有賀暢迪,2016.「台風の数値予報の始まり、あるいは黎明期の計算気象学における問題意識の連鎖」『科学史研究』第54巻,314-326頁.
- 有賀暢迪,2008.「洗い桶からコンピュータへ:大気大循環モデルによるシミュレーションの誕生」『科学哲学科学史研究』第2号,61-74頁.