日本流体力学会 年会2024の「今井・巽記念セッション」に参加し、「今井功の自筆ノートに見る高速気流の理論的研究」の題で研究発表をおこないました。
このセッションは、日本の流体力学に大きな足跡を残した2人の物理学者、今井功(生誕110年、没後20年)と巽友正(昨年逝去)を記念するものです。昨年度から研究助成を受けている科研費課題「戦後日本の流体力学を事例とした計算科学的方法の普及過程についての科学史研究」に関連して、共同研究者の永田先生らが企画しました。
私の発表は共同研究者4名の共著です。前半で今井功の個人資料の全般的紹介をおこない、後半では特に1950年代初頭における今井の高速気流研究について、自筆ノートの内容を交えて話しました。この点に関しては、先の5月の科学史学会で自分が話した内容の続きになっています。ただ、今回発表した内容は、濃淡はあるものの4名全員が何かしら貢献していて、共同研究の意味をなすものになっていたと思います。
また、セッションの性質から言って聴衆の年齢層が高くなることを予想していたのですが、思いのほか若手の方が多かったのが個人的には嬉しい誤算でした。現役の研究者の方に歴史の話を聞いてもらえるのはありがたいです。